2020-12-03

茅野ステーション

在宅での看取り その2

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朝は氷点下、霜が降りる12月になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

あん訪問看護ステーション看護師の伊藤祐です。

八ヶ岳実践大学で買ったシクラメンと黄緑のポインセチアを愛でる毎日です。植物を枯らすことが得意(?)でしたが、シクラメンは夏場は木陰に置いておけば次の冬も花が咲くのよ、と利用者さまのご家族に教えて頂き、3年目のシクラメンも家にいます。ポインセチアも夏には葉を全て落とすけれども、また冬には葉をつけると教わって買ってきました。

 

あん訪問看護ステーションに勤務するようになって3年余り。それでもパート勤務で勤務時間帯が短いこと、拘束の電話(契約者さまには24時間緊急対応をするために看護師が電話を夜間も持っています!)を持っていないこともあり、ご自宅での看取りに立ち会うことは最近までありませんでした。病院でも在宅でもお亡くなりになるときは夜間の方が多い印象です。

 

先日初めて自宅での看取りに立ち会わせて頂きました。

Aさん。60代男性で大工さん。自分が建てた家で最期を過ごしたいと決意され、訪問看護導入となりました。大腸がんの肺転移。起き上がること、食事を摂ることができず、在宅酸素を使いながら毎日点滴に通っていました。職人気質で弱音を最期まで聞いたことはありませんでした。

「呼吸の様子がおかしい。」ご家族からの連絡があり、ご自宅へ向かいました。奥様、娘さん、息子さんに囲まれながら到着時には呼吸回数は減り、顎で呼吸をするような状態でした。医師へ状態を報告し、到着を待ちながらこれまでのAさんのことをご家族と話しました。時にはご家族よりも私の方が泣いているときもありました。思い出話に交ぜてもらいながら泣いたり笑ったりしながら、徐々に呼吸が遠くなるのをみんなで見守りました。とても尊い時間でした。病院にいたときは心電図モニターに釘付けになりがちでした。在宅ではそんな器械はありません。旅立ちの支度も一緒にさせていただき、娘さんがお体を拭き、息子さんがこだわりの髪型を整えてくださいました。

 

我慢強くて、かっこいいAさん。たぶん天国で思う存分家づくりをしていると思います。

 

病院時代には経験できなかった、濃密な人間関係が訪問看護にはあります。そんな訪問看護が私は大好きです。