2021-07-25

茅野ステーション

お風呂のお手伝い

Pocket

こんにちは。看護師の伊東です。

私は前回のブログにもお風呂のお手伝いについて書きました。今回もお風呂です。

私はお風呂のお手伝い、とても好きです。

好きになったきっかけを作ってくれた忘れられない患者様の話を書きたいと思います。

 

もう30年以上も前の話になります(年がばれます)

昔の病院なので、リフトやシャワーチェアーなどの便利な入浴介助の道具などない時代の話です(笑)。

私が勤務する病棟に、脳梗塞で言葉が上手く出なくなり、右半身がマヒし、立ったり歩いたりできなくなってしまった方がいました。

沈みがちで、リハビリもなかなか進みませんでした。

ある日、その方はお風呂が大好きなことがわかりました。そこでできるだけ毎日お風呂に入るように計画しました。

すると表情が明るくなり、リハビリも積極的に取り組むようになりました。

私はリフトのように自分の大きな体を使えましたので、よくその方のお風呂のお手伝いをしました。

ほかの患者様の援助の関係もあるので、お風呂に入る時間は朝早くだったり、夕方遅くだったりしました。

それでもお風呂にお誘いするととってもいい表情をされることを覚えています。

 

ある日、病棟がものすごく忙しい日のことでした。

その方に今日のお風呂は約束していた時間より遅れて、夕方になることをお伝えしに行きました。

するとその方は、「今日はお風呂に入りたくない」とおっしゃるのです。

朝、予定をお伝えしたときは嬉しそうに返事をしてくださっていました。

具合が悪いのか、どうしたのかいろいろ尋ねました。

なかなか答えてくださらなかったのですが、看護師が忙しくしているのを感じて遠慮しているのだとわかりました。

私を気遣って「入りたくない」といったのでした。

「自分はたくさん入れてもらっているから、こんな時ぐらい入らなくていい、休め!」

と不自由な言葉で伝えていただきました。

疲れていたこともあったのか、その場で泣いてしまいました。

その方の心づかいがうれしく、つながりを感じました。

 

 

お風呂は「皮膚の代謝を助ける」「身なりを整える」などの意味もありますが、

何よりさっぱりして気持ちがよくなります。

生活を豊かにしてくれると思います。

 

わたしたちは、普通に毎日入るのが当たり前の生活をしていますが、

介助を必要とされる方は週に2回しか入れない方も多いです。

体も頭も自分で洗う方が気持ちいいに決まっています。

でもご自分で洗えないから手伝ってもらうのです。

どのように手伝ったら気持ちいいかな?と考えます。

お風呂からあがったあとしっかり水分を拭き取ることも意識します。

せっかく気持ちよい援助をするのですからとことん気持ちよく過ごしていただきたい!!!

当たり前のことですが、丁寧にお手伝いしたいと思っています。

 

看護師が入浴介助をする利用者様はいろんなリスクをもっていらっしゃる方が多いです。

『呼吸や血圧の変化はないか』『水が入ってはいけないところに水が入らないように』などなど、

緊張しながらお手伝いしています。

 

でも風呂上がりの表情が何より好きです。