2020-12-18

茅野ステーション

在宅での看取り その3

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前々回、前回のブログをみていたら、続きが書きたくなった鈴木(絹)です(笑)

 

おつきあい頂けたら幸いです。

 

今回は在宅といいますか、今まで私が経験した看取りについてのお話しです。

 

90歳前後の男性、我慢強くて、賢明な方でした。

 

ある時すい臓がんが発見されました。

 

発見された時にはすでに肝臓多発転移もあるターミナル期でした。

 

医師から本人に病名余命を告知され、冷静にゆっくり受け止め、残す妻のこと家族に思いを馳せながら、身辺整理を始めました。

 

土地の管理から、金銭の整理を進め、自身のお墓のことも自身で決め、戒名も生前に付けてもらっていました。私たちは疼痛を軽減させる緩和ケアに力を注ぎながら、彼の身辺整理が無事に済むことを見守っていました。

 

ある看護師がいよいよ死期が近づいた時、彼に言いました。

 

「もうそろそろですよ」と

 

彼は大きくうなづきました。

 

その日、意識はあるけどお話しができない状態の彼は、私が話しかけると涙を流しました。

 

その数時間後、家族に見守られながら旅立ちました。

 

主治医が死亡診断をしたあと、私と主治医が同時に「完璧だった。。」と声をあわせたこと、忘れられません。

 

 

もうそろそろですよ。。実はこの言葉をかけたのは、あん訪問看護ステーションの元島社長です。

 

このお話しは前職の施設でのお話しです。

 

人生の閉じ方は人それぞれ。在宅でも多くのお看取りがあります。

 

本人家族が望むように最期を迎えられるように、そのお手伝いができる貴重なお仕事です。

 

訪問看護師がこのようにシリーズ3回にわたってお看取りの話題を出したくなる気持ち。

 

誰かが言っていました。

 

お看取りするとね、必ず1つギフトを置いていってくれるからね、と。それを心で感じるからではないでしょうか。